日本財団 図書館


われるというように説明されている。
先ず、?表意者が意思を表白(売買契約の例では、契約の申込書を作成する)し、次に?この申込書を発信(投函)すると、?申込書が相手方に到達(配達)、受領される。そして、最後に、?相手方が申込書の内容を了知する、という過程をたどることになる。
ところで、この4つの意思表示の伝達のどの段階(どの時期)から、その効力が発生するかについては、表白主義、発信主義、到達主義および了知主義などの考え方があるが、わが国の民法では、到達主義を意思表示の効力発生時期として原則的に採用している(民法第97条)。ただし、隔地者間の契約の成立時期に関しては、敏速な取引の需要に応えるために、発信主義が採用されている(民法第526条)。
3.到達主義の原則
わが国の民法においては、「隔地者に対する意思表示は、その通知が相手方に到達した時から、その効力を生じる。」(民法第97条)旨が規定されている。そして、ここにいう意思表示の「到達」とは、当該通知が相手方により了知しうべき状態におかれたときに到達したものとして取り扱われている。
本条では、メッセ−ジの受信の時期について「・・・発信されたメッセ−ジは、受信者に技術的附属書に指定する方法でアクセス可能となった時に受信されたものとみなす。」旨を規定し、発信されたメッセ−ジは、受信者により実際に受信されたか否かに関係なく、受信者が了知しうべき状態におかれたときに受信されたものとみなすこととされている。そして、発信されたメッセ−ジが受信されたときに、一定の法的効力が与えられる旨を明記している(「・・・。このように受信されるまでは、発信されたメッセ−ジはいかなる法的効力も有しないものとする。」)。
4.メッセ−ジの受信の時期
EDIを利用して商取引を行う場合の通信の方法には、?EDI取引当事者が各自のシステムを利用して、直接、電子デ−タ交換を行うもの(2者直結型)と、?「第三者サ−ビス提供者」(VAN)を経由して電子デ−タ交換を行うもの(VAN経由型)があることは、本協定書の第2.4 条の規定に関してコメントしたところであるが、その各場合におけるメッセ−ジの受信の時期について説明すると、次のようになる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION